日本酒の雑学 ・精米のあとは「枯らし」

2019.07.24

「精米」と「洗米」、「浸漬(しんせき)」
「蒸米」の間に
「枯らし」という工程があります。 
「枯らし」は
酒造りにおいて大切な工程です。
 
「枯らし」とは
精米後の熱を帯びたお米を
室温程度まで冷ますため
お米の種類や削り方や用途に合わせて
一定期間放置することをいいます。
精米後のお米を紙袋や貯蔵槽に入れ
冷暗所で2週間から3週間置いておきます。

精米したあとのお米は
「摩擦熱」を帯びています。
たくさん削って精米時間が長くなるほど
精米後のお米の温度も高くなります。
蔵人さんたちの間で
「米が落ち着いていない」と言う状態です。
 
削った後のお米では
摩擦熱によって水分が蒸発してしまい
米粒内の水分分布にムラがある状態です。
後の作業に適した水分量で
水分分布を均等にする必要があります。
 
精米による摩擦熱で熱くなったお米は
そのまま洗米してしまいますと
水分を吸いすぎてしまい
温度の変化で
お米が割れてしまうという恐れがあります。
 
精米にかかる時間は
お米の量にもよりますが
精米歩合
75%で約8時間
70%で約10時間
60%で約24時間
50%で約48時間
40%以下になると約72時間以上もの時間を費やします。
 
これだけ長い間削られたら
1日2日では熱が冷めません。
 
次の「洗米」「浸漬(しんせき)」の工程で
お米の品質が安定していないと
お米が壊れやすかったり
吸水のスピードが安定せず
お米が台無しになってしまいます。
 
日本酒の製造工程の説明の際
「枯らし」は
省かれてしまうことも。
しかし、この「枯らし」がないと
お米も、次からの工程もだめになってしまう
大切な工程です。
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