日本酒の雑学 ・「滓(おり)引き」について

2019.07.24

お粥状の醪(もろみ)を絞って
酒粕と液体(清酒)に分けることを
上槽(じょうそう)と言います。
 
「上槽(じょうそう)」の工程で
搾ったばかりの状態では
まだ「滓(おり)」と呼ばれる
細かいお米や酵母が浮いていて
白濁しています。
タンクを動かさずに
時間をかけて、搾ったお酒を静かに置いて
固形分が沈殿するのを待ちますと
タンクの上の方から
上澄みの透明なお酒を取り出すことが出来ます。
この「上澄み」を取り出す工程が
「滓(おり)引き」です。
 
お酒の品質劣化の原因は
清酒と滓(おり)が
長時間接触していると
糖分やアミノ酸が増えるからとされています。
「滓(おり)引き」で
余分な酵母・お米を除くことにより
お酒の品質劣化を防ぐことができます。
 
また 滓(おり)を取り除くことで
濁りがなくなり
色が透明になるという点でも大切な工程です。
 
この「滓(おり)引き」を行わないものでは
日本酒を出荷する際
ラベルに
「おりがらみ」と表記されることが多くあります。
 
この「おりがらみ」の日本酒は
新鮮な状態で飲むことが大切です。
「おりがらみ」は、滓(おり)に含まれている
お米や酵母を残したまま出荷するので
お米の旨味を強く感じられるのが
大きな特徴です。
その白濁した色から
「かすみ酒」
「うすにごり酒」とも呼ばれています。
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