日本酒は
酒税法では
「清酒」と呼ばれます。
「清酒」は
「アルコール分が22度未満のもの」と決められ
アルコール度数が22度以上のものは
「清酒」とは言いません。
市販の日本酒の中で
最も多いアルコール度数が
15度〜16度です。
この度数になった理由のひとつとして
平成18年(2006年)以前の酒税法が
アルコール度数によって
酒税が決められていたことが
考えられます。
15度 〜 16度が基準となり
16度を超えると
1度あがるごとに酒税が加算されていました。
造り手からすると
15度 〜 16度の間でと
考えてしまったのではと思われます。
また
日本酒のアルコール度数が
高くても20度前後に収まるには
発酵の過程も理由にあります。
醪(もろみ)のなかで発酵が進む過程は
大まかに示すと
お米のデンプンを
麹の酵素がデンプンを分解して
デンプンがオリゴ糖や砂糖に変化。
さらに麹が分解していき
ブドウ糖(グルコース)へと変化。
そのブドウ糖(グルコース)を
醪(もろみ)のなかの「酵母」が食べて
アルコールと炭酸ガスに変化。
酵母の酒類によっては
違いがあるのですが
通常では
アルコール度数10度から14度くらいまでは
「酵母」は元気に発酵を続けます。
しかし、実は「酵母」は
高濃度のアルコールには弱い性質があります。
「酵母」は
自分で出したアルコールによって
死滅して行ってしまうのです。
アルコール濃度12度から
少しずつに酵母の死滅が始まります。
18度以上になると
発酵が鈍くなります。
だいたい20度くらいの「原酒」の状態で
発酵が収まるようになっています。
また、酵母が死滅していく過程では
酵母体内のアミノ酸や硫黄化合物が
醪(もろみ)に放出されてしまい
香味が悪くなってしまいます。
ですので、通常は
造り手によっても違いはあるのですが
アルコール度数が出過ぎる前に
お酒を搾っているのです。
参考に
醸造酒と蒸留酒との違いもありますが
他の酒類のアルコール度数については
平均値として
日本酒 15度 〜 16度
ビール 4度 〜 8度
白ワイン 7度 〜 15度
赤ワイン 11度 〜 15度
焼酎 20度 〜 25度
ウイスキー 40度 〜 60度