日本には
大きく分けて「硬水」と「軟水」の地域があります。
「硬水」と「軟水」の違いは
主にカルシウムとマグネシウムの
含有量の差にあります。
水に含まれる
カルシウムとマグネシウムの割合のことを
「硬度」と言います。
この硬度が高いもの
より多くのカルシウムと
マグネシウムが含まれている水を
「硬水」といいます。
天然水は地層を通過する際に
ミネラルを吸収していきます。
地層を通過する時間が長ければ
ミネラルを多く含む水になります。
「硬水」は醗酵(はっこう)が盛んに進むため
醸造の失敗が少ないとされます。
ミネラル分が
発酵を助ける栄養成分となるのです。
ミネラル分の割合が多い
「硬水」で醸された日本酒は
酸が強めの
きりっとした
濃厚な辛口に仕上がるという傾向になります。
ミネラル分が少ない水が「軟水」です。
軟水を使用しますと
醗酵(はっこう)が緩やかに進むという
特性があります。
低温でじっくりと
日本酒の発酵が進めることができますので
なめらかで香り高い吟醸酒を
造り出すことができます。
軟水で仕込んだお酒は
軽く、なめらかで
スッキリとした味になる傾向があります。
兵庫県灘地区は
水の硬度は8 〜 9です。
日本国内で
日本酒造りに使用される水としては
最も硬度の高い水とされています。
灘の水は別名「宮水」と呼ばれ
昔から日本酒造りに重宝されてきました。
灘のお酒は
辛口でキリッとした
味のあるタイプの日本酒が比較的多く
「男酒」と呼ばれています。
京都伏見は
水の硬度は6〜7です。
灘よりも若干硬度が低めです。
比較的口当たりがよく
柔らかい味わいで
優雅な雰囲気のお酒が多くあります。
ですので
灘の「男酒」に対して
「女酒」と呼ばれることが多くあります。