日本酒の雑学 ・電子レンジでのお燗はNG?というお話

2019.05.23

お燗は 5℃ごとに
35℃は人肌燗
40℃はぬる燗
45℃は上燗
50℃が熱燗
55℃以上が 飛び切り燗 と
繊細に区切られています。
 
この「お燗」をするのに
電子レンジはNGという理由があります。
電子レンジは「マイクロ波加熱」といって
食品に含まれる水の分子を
マイクロ波で振動させることにより
発熱させることで
食品を温めます。
電子レンジにお酒を入れて
マイクロ波を当てますと
マイクロ波は
プラスとマイナスの電界が
交互に変化(振動)し
その変化によって
お酒も交互に変化(振動)します。
一般的に周波数が2450MHzですので
プラスマイナスが入れ替わる回数は
1秒間に24億5000万回。
その「摩擦熱」によって
お酒が温まるという仕組みなのです。
お酒には非常に
ストレス(無理)がかかります。
 
もうひとつは
「温度ムラ」です。
マイクロ波が多く当たる部分は
部分的に熱が高くなるので
端の部分と
中央の部分とでは
極端な温度差が生じてしまいます。
一般的な徳利であれば
一番温度が高くなるのが
上部の持ち手のくびれの部分。
中央部の温度は低くなります。
徳利の底の温度が45℃の時に
徳利の上部と中心では
40℃近くの温度差があったという
実験結果も出ているということです。
 
そして
持ち手の首部分が86℃の温度になるので
沸点が78.5℃のアルコールが
揮発してしまうのです。
加えて
徳利の底部と上部の温度差のムラから
対流がおこってしまい
「温めてもすぐに冷めてしまう」
ことになり
美味しくなくなってしまうという
可能性が高くなるのです。
 
電子レンジは手軽ではありますが
デメリットも理解したうえで
たとえば
取り出した後
軽く混ぜることをするだけでも
冷めることを防ぐことも出来ます。
ページトップへ