農林水産省によりますと
酒造好適米は
現在、100種類程度が生産されています。
デンプンが多く含まれている
米の中心部分「心白」と呼ばれる部分が
食用の米と比べると
大きいことが特徴です。
米の表層部分は
たんぱく質やビタミンが含まれ
雑味の元になりますので
表層部分を磨く(削る)必要があるので
心白が大きくなるように作られたお米は
まさに酒造りに「適した」お米です。
山田錦
生産量は全体の4割を占めます。
別名「酒米の王様」。
心白が大きく
雑味の元になるたんぱく質が少ないのが特徴です。
さらに、吸水性が良いので
「麹菌」が活性化しやすい状況が出来て
良質な麹を造ることができます。
山田錦は兵庫県農業試験場生まれ。
兵庫県が最大の生産量を誇っています。
そして最良質の「特上」等級は
兵庫県でしか生産されていません。
五百万石
蔵元数全国一の新潟県生まれ。
品種としてはもっともポピュラーです。
加工性能に優れ
麹が作りやすい品種として知られています。
主に 新潟県、富山県、福井県など
北陸地方で多く作られ
作付面積は全国一です。
雄町
実は
山田錦、五百万石は
「雄町」を元に改良された品種です。
雄町は、心白が球状で大きく
米が醪(もろみ)の中で溶けやすいのが
特徴です。
栽培が難しいことで知られ
一時は消滅の危機にありました。
近年は徐々に作付面積が増えています。
主な生産は岡山県です。
酒母・麹米・掛米
酒米は
日本酒造りの工程で
酒母
麹米
掛米 の役割に分かれます。
酒母
米と水、麹、酵母、乳酸を混ぜて
培養したものが「酒母」。
その酒母を造るのに使われる米が
「酒母米」です。
発酵が進むと醪(もろみ)となります。
酒母として使われる米は、全体の約10% です。
麹米
「麹米」は米麹の元になる米です。
「米麹」とは
蒸した麹米に麹菌を付着させ繁殖させたものです。
米麹のはたらきは
米のでんぷん質を「糖」に変えること。
でんぷん質が糖に変わり
それが分解されることで
アルコールが生み出されます。
働きの核となる「米麹」を生み出す麹米で
日本酒の出来が大きく影響されます。
麹米で使用されるのは
日本酒造りで使われる
酒米の全体の約20%です。
掛米
醪(もろみ)を仕込む時に加える米のことです。
蒸して冷ました後の「掛米」を
発酵中の「醪(もろみ)」の中に投入します。
醪の中で掛米が溶けて
日本酒の「元」になるのです。
掛米として使われるのは
日本酒造りで使うお米全体の約70%です。