日本酒の雑学 ・五節句、五節供と お酒

2019.05.07

節句・節供のときに飲むお酒には
その時期の「生命」をいただき
邪気を払うという意味があります。
 
節句・節供とは
年に何回かある重要な「節目」のこと。
基本は神祭を執り行う日とされます。
このうち、特に
「五節句・五節供」と言われる
1月7日「人日 (じんじつ)」
3月3日「上巳 (じょうし)」
5月5日「端午 (たんご) 
7月7日「七夕 (しちせき)」
9月9日「重陽(ちょうよう)」
があります。
この風習は
中国から伝わったものに
日本の宮中行事などが合わさり
江戸時代の初期になると
幕府によって式日と定められ
「公武行事」として行われました。
 
この「五節句・五節供」の中で
「七夕 (しちせき)」以外は
それぞれに飲むお酒は決まっています。
 
人日(じんじつ):屠蘇(とそ)
「人日」とは
中国の風習で
元日からそれぞれの日に獣畜を当てはめた占があり
七日目が「人」にあたり
その日を「人」を大切にする節句にしたとも言われます。
屠蘇(とそ)
お酒やみりんで生薬を浸け込んだお酒

上巳 (じょうし):桃酒
平安時代のみそぎの行事と
宮中の「雛(ひいな)遊び」とが混ざり
自分の汚れを託した紙人形を川に流す
みそぎとしての「流し雛」となり
その後
人形を飾るようになったという説があるようです。
桃酒 
桃の葉を刻んで入れたり
桃の花びらをひたしたお酒

端午(たんご):菖蒲酒
菖蒲酒
元来は「薬草摘みの日」。
薬草としての菖蒲をお酒に浸したもの

重陽(ちょうよう):菊酒
菊酒
菊の花は不老長寿の薬草とされ
その菊の花を浸したお酒
 
7月7日の七夕 (しちせき)には
アルコールの入っていない
「甘酒」
を飲むという風習が
歌舞伎の
「廓(くるわ)の花見時」
という台本に書かれています。
暑さの厳しいなかの
旧暦7月7日に甘酒を飲むのは
この暑い夏に
しっかりと栄養補給をするため
と言われています。
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