日本酒の雑学 ・酒器の語源はどんなもの?

2019.04.16

お猪口
「猪(いのしし)の口」と書く酒器。
語源は
「猪口(ちょく)」が転じたもの。
「猪口」とは
・「ちょっとしたもの」を表す「ちょく」
・飾り気がないことや安直を表す「ちょく(直)」
などの意味があるそうです。
 
ぐい呑み
「ぐい呑み」は
お猪口よりも少し大きなサイズです。
語源は そのまま
「ぐいぐい飲める」から。
そば猪口(めんつゆを入れる容器)や
小型の湯のみ茶碗を転用したのが
始まりといわれています。
 
とっくり
「徳利」と書きます。
語源は諸説あるとのことです。
・お酒を注ぐときの、「とくり、とくり」という音から。
・「雲具理」から
( 雲=深い瓶の「雲壜(どんたん)」、具理=お酒を入れる容器
お酒を入れる深い瓶 の意味 )。
室町時代後期、すでに「とくり」という酒の器が使われていました。
「徳裏」「陶」「土工季」などと表記されていました。

・「酒壺」のハングル読み「トックウル」から
※古い朝鮮語に由来するというのが通説となっています。
朝鮮語で「やや硬質の土器」という意味の
「トックウル」から来ているのではないかと言われています。

江戸時代には
庶民がお酒を買うために使用されました。
のちには
お燗をするときの
お酒を入れる容器としても使われました。
 
片口
日本酒シーンのピッチャーとして使われるのが
「片口」です。
他の酒器と比べて容量は大きく
酒席での日本酒を共有する時に用いるものです。
語源は
片方にのみ注ぎ口があるから。
一升瓶から注ぐのは大変ですから
片口の使用は重宝します。
 
ちろり
「銚釐」と書きます。
酒燗器で少量の1〜2杯分の
お燗に使う酒器です。
その語源は
・囲炉裏( いろり。地炉 )であたためるから。
・”ちろり”と短時間に温まるから。
・お酒好きが待ちきれずチロリと舌を出すから。
「待ちきれない」は
お酒好きの心情を
よく表していると感じます。
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