昔は、時刻を
「子」、「丑」、「寅」、「卯」・・・と
十二支で表現していました。
その中で
「寅(とら)」の刻は
今の午前4時~6時頃のこと。
夜通しこんな時刻まで
お酒を飲んでいる人のことを
「寅(とら)」と呼んでいて
そこから
酔っ払いの事を指すようになりました。
8世紀
中国の詩人 杜甫 の詩に
「酔如泥(酔って、「でい」の如し)」
とあります。
「泥(でい)」とは
中国の『異物志』に出てくる空想上の虫。
「泥(でい)」は南海の海の中に住み
骨が無く
海中では生き生きとしていられるのですが
陸に上げられると
苦しんで
激しくのた打ち回ります。
この姿が
酔いに苦しむ
深く酔った人の姿に似ていることから
「泥の如し」と表現されました。
酔っ払いの姿が
のた打ち回る泥(でい)の動きに
似ていると言うことで
「泥酔」という言葉が定着したようです。
平安時代の書物からも
酒に酔った状態を
「泥(でい)の如し」と言った例が
見られます。