日本酒の雑学 ・醸造アルコールって??

2019.03.27

醸造アルコールとは
デンプン質物や含糖質物を
原料として発酵させて
「蒸留」したアルコールをいいます。
 
「蒸留」とは
醪(もろみ)を100度以上の蒸気に当て
醪の中のアルコールや水などを蒸発させ
その蒸発した気体を
冷却して再び液体として集めたものです。
しかし、醪のなかの全ての物質が
蒸発するわけではありません。
蒸発しない成分として
糖類・アミノ酸・色素などが残ります。
ですので、蒸留した液体の成分は
・ 20%〜25%のアルコール分
・ 5%の香り成分
・    水
となります。
ですので
「醸造アルコール」を加えているお酒とは
「少しの自然のアルコールと水を加えている」
と考えてよいと思います。
吟醸酒や本醸造酒に使用できる
醸造アルコールの重量は
白米の重量の
10%以下に制限されています。
 
醸造アルコールを加えたときのメリット

フルーティーな香り
醪で生成されるフルーティーな香りが
アルコールに溶けて吸着するためです。

味わいスッキリ
醸造アルコールには糖分は含まれません。
アルコール以外はほとんど水ですので
・味わい全体が薄くなる
・甘味が減る
・酸味が増す と言う効果が出てきます。
口に含んだ瞬間のボリューム感が少ない。
キレが増す、といった印象です。
 
地元の料理に合う
本醸造酒は地元の方もよく飲まれます。
地元の方が飲むお酒は
ご当地の料理と合うよう
蔵が考えて醸造していることも多のです。
 
酒税法で
大吟醸酒・吟醸酒・本醸造酒への
醸造アルコールの添加して良い量は
米と米こうじを足した量の
10%までと決まっています。
しかし
むしろ、今では規定量の半分の
5%程度の添加と言えます。
これだけしか添加しない理由は
味わいのバランスを
保つことができなくなるからです。
以前にあった特級酒とか二級酒と
呼ばれた時代には
多くのアルコール添加がなされていました。
しかし、現在
鑑評会用の出品酒には
醸造アルコールを
1%程度しか添加していないものもあります。
2日酔いになる要因としては
本醸造酒だからではなく
水をしっかりと飲んでいるか、です。
水をたくさん飲めば
脱水症状を防ぎ
2日酔いになりにくくなります。
 
美味しいと感じやすい本醸造酒の特徴として
  • 精米歩合が60%程度
  • ラベルに「中取り」「直汲み」などの表記
  • アルコール度は15%〜17%
  • デザインがやや新しい
などでしょう。
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