江戸時代
お燗をしたお酒を出す飲食店では
お酒が一番おいしいお燗をつける
「お燗番」と言われる役目がありました。
湯煎にしてからの時間の管理は難しく
片手間ではできませんでした。
お燗番はそのお店の
主に女性の接客担当がすることが多く
上手なお燗番がいるお店は評判になりました。
一説には、このお燗番の女性が転じて
「看板娘」となったとも言われています。
お燗をして温度が上がったお酒を
冷やして飲むのはやめたほうが良いでしょう。
お酒の多くは
高い温度がかかると
旨みや香りの成分が変質します。
冷えても元のような味にはなりません。
味がぼやける感じになり
嫌な刺激臭がするようになります。
お燗をつけて冷めたものを
「燗冷まし」
それにより味が悪くなることを
「燗崩れ」といいます。
逆に
お燗で温めて味や香りが良くなることを
「燗上がりする」と言います。
また、そういう性質を持っているお酒は
「燗映えする」お酒といいます。
お燗の付け方
・沸かしたお湯での湯せん
60度~80度ほどに
お湯をたっぷり沸かしたものを
耐熱性の容器に移し
その中に徳利などをつけこんで
湯せんで温めるやりかたです。
温度の上昇のしかたは緩やかです。
お湯の量や温度
使う器などを統一しておけば
浸けておく時間を計るだけで
好みの温度に合わせることもできます。
・火にかけての湯せん
鍋でお湯を沸かしているところに
徳利などをつけて
直接湯せんするやり方です。
「水から」の場合
お酒の温度と同じくらいの水に浸けて
水を沸かしていきます。
水がたっぷりあり
弱火で温めていく場合には
鍋の水と徳利の中のお酒の温度が
同じくらいになりますので
温度調整がしやすいという長所がありますが
時間はかなりかかります。
「お湯から」の場合
お酒の温度は急激に上がります。
時間はあまりかからないのですが
好みの温度に合わせづらくなります。
温度が上がりすぎる可能性が高いやり方です。
・電子レンジ
徳利に入れて電子レンジで温めるやり方。
手軽ではありますが
実は温度ムラができやすく
温度調整も難しく
比較的冷めやすくなります。
あまりお勧めできりません。
しかし、最近では
「お燗モード」がついた高機能なレンジもあります。
・直火で沸かす
鍋ややかん等にお酒を入れて
直に火にかけて温めるやり方。
これでは鍋肌に当たっている箇所が
必要以上に温まってしまいますし
アルコールも飛んだり変質してしまったりします。
よほど急ぎの時以外は
やめておいたほうがいいと思います。