日本酒の雑学 ・段仕込み とは?

2019.03.13

お酒のラベルに「〇段仕込み」と
表記されているものがあります。
この、段仕込み、とは
どんなものでしょうか。
 
日本酒は
酒米と水を混ぜあわせて発酵させた
「醪(もろみ)」を搾ることで造られます。
「醪(もろみ)」を造る工程で
もろみのもととなる
「酒母」(日本酒を醸造するための、蒸したお米
麹、(仕込み)水を用いて
優良な酵母を培養したもの。
「酛(もと)」ともいう)へ
麹と蒸したお米を
複数に分けて加えていくことから
「段仕込み」と呼ばれるようになりました。
 
何回にも分けて麹と蒸したお米を加えていくことで
酒母の酸度が保たれ
それにより雑菌の繁殖が抑えられます。
 
「仕込み」の作業は
基本的に
初添(はつぞえ)
仲添(なかぞえ)
留添(とめぞえ)
の3回に分けられます
 
初添とは「醪(もろみ)」造りで
一番最初の工程です。
仕込みタンクに「酒母」を移して
少量の麹と蒸したお米を加えます。
発酵を進めて
酵母の数を更に増やしていきます。
この段階で加えられる麹とお米は
掛麹、掛米と呼ばれます。
 
仲添では、更に
初添で加えられた麹とお米の
2倍の量を加えます。
 
初添と仲添の工程の間で
「踊り」と呼ばれる
酵母を
環境に慣れさせる必要があるため
何も加えず様子を見るだけ
という日が存在します。
 
最終段階の留添は、さらに
仲添の2倍の量の麹と蒸米と仕込み水を投入します。

この操作で
雑菌による汚染を防ぎます。
4%~5%のアルコール濃度を保って
酵母を繁殖させることで
酵母に
アルコールに対する耐性(強さ)を付与します。

15℃前後に保たれ発酵が進んだ醪は
表面の泡の状態を様々に変化させながら
14日~20日間程度で
熟成醪となります。
熟成醪のアルコールは19%近くにもなっています。

発酵が進んでいて
最初の20倍~25倍ぐらいの容積になっています。
 
段仕込みの工程が3回というのが酒造の基本です。
中には
「四段仕込み」とか
「十段仕込み」などの記載がある日本酒もあります。
仕込みの回数を増やして
醪を造っていくものもあります。
この場合は
さらに発酵を進めるということではなく
甘口の日本酒を造る際の
「日本酒度
日本酒の水との比重。アルコール度数と
エキス分(ほとんどが糖分)の含有量によって決まる。
糖分の多いものがマイナス(甘口)
少ないものがプラス(辛口)となる)
の調整といった役割が大きいようです。
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