諸説ありますが
お酒に強い人、お酒飲みのことを
「上戸(じょうご )」とか
「左党(さとう)」「左利き」
と言うのはなぜでしょうか
「上戸(じょうご )」「下戸(げこ)」の語源
2つ紹介できればと思います。
まずは
律令制の時代(奈良~平安)にあった
「階級制度」がもとではないかという説。
律令制では
各家庭の階級を
その家族の人数や資産・財産によって
大戸
上戸
中戸
下戸
と4つに分けていました。
上戸は上流階級。
下戸は最下級。
婚礼の際
各階級で
飲むことのできるお酒の量が
決められていました。
上戸の家では8瓶。
下戸の家では2瓶。
そのことから
お酒をたくさん「飲める」家・人のことを「上戸」
「飲めない」家・人のことを「下戸」
階級の状況を表す言葉が
いつしか「飲める」「飲めない」の
個人の状態を呼ぶようになった
と言われています。
次は
中国を発祥とするという説。
中国・秦の時代 万里の長城。
万里の長城には「上戸」と呼ばれる
寒さの厳しい山上の門と
「下戸」と呼ばれる
往来の激しい平地の門がありました。
その門番の兵士に
「上戸」の兵士には
体を温めるためにお酒を
下戸の兵士には
疲れを癒やすために甘いものを
それぞれ配ったそうです。
それが転じて
現在の「上戸」(お酒が飲める)
「下戸」(お酒が飲めない)
の意味になったと言われています。
「左党(さとう)」「左利き」の語源
どちらにも
「左」
という漢字が使われています
江戸時代のこと
大工さんや鉱夫が
右手に
叩くための槌
左手に
削る(作業の)ための「ノミ」
を持つことから
右手のことを「槌手」
左手のことを「ノミ手」
と言いました。
この
「ノミ手」が
「飲み手」と同じ発音であったことから
お酒飲み「飲み手」を
「ノミ手」⇒(左手のこと)⇒「左利き」
と呼ぶようになったそうです。
「左党」は
その派生語とされています。
「左党」が広まった後
逆に お酒が飲めない人のことを
左党の反対という意味から
「右党(うとう)」という言葉ができたそうです