日本酒の雑学 ・万葉集にすでに詠われていた 吉備豊酒(きびのとよざけ)

2019.02.14

古人(ふるひと)の
飲(たま)へしめたる 吉備の酒
病(や)めば すべなし
貫簀(ぬきす)賜(たば)らむ
 
万葉集 (巻四-五五四)
丹生女王(にうのおおきみ)が
九州の大宰府にいる長官
大伴旅人(おおとものたびと)に
贈った二首の歌のうちの一首。
 
この歌の解釈は多種あります。
丹生女王は病の床にあった 
遠い人を思って独酌して酔った
などです。
身を横たえたいので
奈良時代で
寝台に用いていた
大宰府に名高い竹の敷物が欲しい
とお願いしています。
 
ここで
「吉備の酒」という
特定のお酒を
わざわざ贈ったということが
詠まれています。
 
他には万葉集では、お酒については
「能登国歌」の中に
熊来(くまき)酒屋(巻十六-三八七九)
という言葉がでてきますが
他にはありません。
 
ですので
奈良時代(710年~794年)には、すでに
吉備豊酒(きびのとよざけ)が
都ではかなり有名だったのではないか
吉備豊酒は
旨酒の代表名詞であったのではないか
と思われます。
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