お酒の用語で良く出てくる
原酒
生酒
生詰酒
生貯蔵酒。
では、まず
原酒(げんしゅ)と
生酒(なまざけ)はどのように違うのでしょうか?
「原酒」:搾った日本酒を水で割らない
搾った直後のお酒は
アルコール度数は
20度くらいあります。
これを
飲みやすいアルコール度数である
15度前後に
水を加えて調整します。
この作業を「加水調整」と言います。
この、加水調整をしていないものが
原酒です。
「生酒」:搾ったお酒を熱処理しない
生酒とは醪(もろみ)を搾った後に
一切の加熱処理(火入れ)をしないお酒です。
生酒は文字通り「生」のお酒です。
お酒を搾っても
酵母は活動を止めていないので
温度による劣化を招きやすくなります。
それにより
味わいや品質が
徐々に変化する可能性があります。
「生酒」は、通常は要冷蔵商品
低温での温度管理が必要になります。
加熱処理のことを
「火入れ(ひいれ)」と呼びます。
加水調整を行なったり
醸造アルコールを添加しても
この「火入れ」さえしていなければ
「生酒」になります。
また、搾ったあとすぐの
しぼりたて・生酒と
一定期間冷蔵または氷温保管された
貯蔵・生酒の味わいは
全く違うものとなります。
さらに
加水・加熱のどちらもしないものを
生酒 + 原酒 = 生原酒(なまげんしゅ)
と呼びます。
秋から冬にかけて
日本酒の製造が最盛期を迎える頃に出る
「生原酒」は
出来たて・しぼりたての新酒です。
「生詰酒(なまづめしゅ)」
お酒を搾った後
貯蔵前に1度火入れを行い
出荷時(瓶詰め時)に
火入れを行わないお酒を指します。
通常、日本酒は 搾った後
貯蔵前と出荷時の
2度の火入れを行います。
生詰酒の「火入れ」は
お酒を搾った後の貯蔵前の1度のみです。
代表的な生詰酒としては
蔵元から秋ごろ出荷される
「ひやおろし」があります。
「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」
搾ったお酒を
まず、火入れをせず
生酒のまま貯蔵し
出荷時(瓶詰め時)に
1度だけ火入れを行うお酒を指します。
文字通り「生」で「貯蔵した」お酒。
生酒の風味を残す製法です。
酒質も冷酒向きのお酒となります。
「なまちょ(生貯)」とも言われます。
生酒は
冷蔵で貯蔵しても
酒質の変化が比較的早くなります。
「火入れ」という作業を1度行う
生詰酒、生貯蔵酒は
酒質の変化の速度を遅らせ
できるだけ生の風味を残そうとするお酒です。
でも
生 = 美味しい日本酒 とは限りません。
2度火入れを行う日本酒では
安定して貯蔵することで
適度な熟成と落ち着いた味わいになります。
比較的温度による変化も受けにくく
「常温管理」出来ることが
大きなメリットになります。
同じタンクからうまれた日本酒でも
貯蔵や製法の違いで
お酒の味わいが異なってきます。