「お酒は二十歳になってから」といわれます。
どうしてでしょう?
いくつかの埋由があります。
1、アルコール分解速度と耐性の問題
未成年は
アルコールを分解する
体の仕組みが未熟なため
全身の臓器に負担がかかります。
これは
アルコールは
肝臓で分解されて
アセトアルデヒドという
物質になるのですが
これは毒性が強く
十分に分解されないで
身体の中に残ると
全身に悪影響を及ぼします。
未成年者は
この
アセトアルデヒドを分解して
無害にするために必要な
「酵素」の働きがまだまだ弱いため
大人よりも、長く、有害な状態で
身体の中に留まってしまい ます。
そのため
全身の臓器に悪影響を及ぼす時間が
大人よりも長くなってしまい
とても危険なのです。
加えて
年齢が若いうちに飲みはじめると
アルコールに対する
「耐性」ができてしまいます。
アルコールを分解する酵素には
アルコール脱水素酵素と
ME0Sという二つの酵素があり
このうち
ME0Sは
日本人にはあまりないものです。
(ですから日本人は
アルコールが弱いといわれます)
ところが このME0Sは
お酒を飲んでいると
薬の耐性のようにどんどんと増えてきます。
つまり、若いうちから飲んでいると
お酒に強くなってしまいます。
MEOSの本来の仕事は
「薬物代謝(薬成分の分解)」なのです。
ですから
アルコール脱水素酵素だけでは
処理しきれない場合のみ
アルコール分解を手助けします。
そのため
MEOSの効き目が強くなると
アルコールにも耐性がつく反面
本来の「薬物代謝」という
効き目が強くなり
必要とする薬にも
薬成分の分解が早くなってしまい
その薬が効きづらくなってしまいます。
さらに
MEOSが増えて
アルコール耐性がつくということは
すなわち
「MEOSが手助けしなければならないほどの
大量飲酒が習慣化している」
ということです。
MEOSのアルコール分解速度は
無限ではありません。
ところが
そのまま お構いなしに
MEOSのアルコール分解速度を
上回る飲酒を続けていると
序々に
酔いを感じないように
脳が変化していってしまいます。
この状態が
恐怖の「アルコール依存症」の始まりです。
2、脳の神経細胞の破壊の問題
ホルモンの関係など
大体二十歳になると
人間の身体はほぼ成長を終えます。
アルコールは脳の神経細胞の破壊を加速します。
人間は生まれたとき
だれでも約140億個の脳神経細胞を持っています。
これが、二十歳を過ぎると
1日10~20万個ずつ壊れていきます。
脳の神経細胞は
一度壊れると二度と再生しないので
二十歳を過ぎると
どんどん減っていくことになります。
アルコールは
この破壊を加速すると言われているのです。
脳の神経細胞が
たくさん死んでしまう時というのは
睡眠不足が続いている時とか
「泥酔」
した時なのです。
どんどん脳の神経細胞を
発達させていかないといけない
大切な未成年の時期に
脳の神経細胞を
若いうちの飲酒によって
早くも破壊させてしまうことは
その後の人生に
大きく影響を与えてしまいます。
3、お酒の怖さの無知の問題
若いうちは
「酔う」とはどんなことになるかということが
自分ではわかっていない状態です。
いわゆる
「飲み方」を知らない。
急性アルコール中毒と言う
お酒の怖さもまだわかっていません。
それで「イッキ飲み」など
無茶な飲み方をしてしまいがちです。
飲むほうも
無理に飲ませるほうも
「乗り」だけで
また、周りに与えてしまう迷惑について
実感もわかっていません。
自分の価値観や判断でしか対応ができないのです。
お酒に「酔う」ことの怖さが
実感として理解できて
また、迷惑をかけないなど
社会的常識のわかる年齢になってから
飲むべきでしょう。
4、理性のコントロールの問題
年齢の若いうちは
理性のコントロールがおぼつかなく
それが
お酒に酔うことにより
さらに理性を失うという状態で
いわゆる「暴走」しやすくなり
犯罪に結びついてしまう、という
問題もあります。
若いうちは
「楽しい」誘惑に惹かれやすくなり
勉強もしなくなるでしょう。
以上のようなことから
「お酒は二十歳になってから」と
うるさくいうわけなのです。