日本酒が古くなってくると
※(長期熟成の場合)
どういった変化が起こるのか。
日本酒はアミノ酸が豊富に含まれていて
糖類、酸類も多く含んでいます。
長期熟成をしていくことで
これらの成分は
結合、分解を繰り返していきます。
そのため
味わい
香り
色味が変化してきます。
長期熟成された日本酒で
良く分かるのは
色が茶色っぽくなっていくことです。
糖とアミノ化合物が反応すると
「メラノイジン」という褐色物質を生み出す
反応が起こります。
これをメイラード反応といいます。
ワインでも こういった
色の変化の反応は
少なからず起こっています。
この反応自体は
時間が進むにつれて
より褐色へと進むのですが
日本酒の特徴として
真っ黒にはなりません。
それは麹由来の必須アミノ酸の
トリプトファンによるもの
といわれています。
香りの変化では
代表的なものとして
アミノ酸が分解されて
ポリスルフィド(有機多硫化物)が
できます。
これが多過ぎてしまうと
「老香(ひねか)」と呼ばれる
硫黄の香りがしてきます。
このポリスルフィドを
上手に抑えることができれば
香りはより複雑性を増してきて
熟成特有のまろやかなものになるのです。
あと
カルボニル化合物も生成されて
カラメルやナッツのような甘いにおい
コハク酸由来のエステルからの
ハチミツのような
フルーティーな香りも生まれてきます。
味の変化については
上手に熟成された古酒ですと
リンゴ酸やコハク酸などの
酸味や旨味がまろやかになります。
加えて
苦みも増えてくるのですが
タンパク質が分解されてくることにより
味わいとして濃くなり
複雑性も増してくる効果があるといいます。
しかし
アミノ酸量や糖類などが少ない
淡麗タイプの日本酒では
酸味がキツく感じられるようになってしまいます。
長期熟成された
美味しい古酒を楽しみたいなら
専門につくられ
きちんと保管、熟成されたものを
選ばれることをお勧めします。