劣化臭の中で代表的なもの
老香(ひねか)
主として麹に起因するにおい。
老ね麹※を用いたときに起こりやすい。
日本酒が瓶詰めされた後の保存状態により
発生する香り。
特に温度の高い状態で保存されて
日本酒の熟成が進みすぎた場合に出てくる。
焦げっぽいような不快な香り。
保管場所の気温が高すぎたり
紫外線の当たる場所で保管すると
老香が出やすくなる。
※参考:老ね麹
製麹操作において
製麹室をあまり乾燥しない状態で
かつ 製麹時間を長くしたり
高温で経過させたり
製麹中に行う種々の作業を遅れ目にしたりして
麹菌の繁殖を過度に進めて
製造した麹のこと。
麹菌の生成した内容成分も多く
酵素力価が高く老熟している。
※老ね麹は、総破精(そうはぜ)型。
総破精(そうはぜ)型とは
麹菌の菌糸が蒸米の表面全体を覆い
内部にも深く菌糸が食い込んでいる状態。
糖化力、タンパク分解力の強い麹。
酒母の仕込みに使用される”酒母麹”にも適している。
一般的に濃醇でどっしりした酒質に仕上がるため
純米酒の仕込みに適している。
日光臭
日本酒が太陽光や紫外線にさらされる事で
発生する香り。
日本酒は太陽光に非常に弱く
実は直射日光下で三時間位の
短時間での照射でも
不快な香りが発生してしまいます。
日本酒の色も黄色っぽくなり
匂いも
酸っぱいような焦げ臭いようなものになります。
蛍光灯にも紫外線は含まれていますので
(※LEDは大丈夫)
蛍光灯下で
日本酒をガラス瓶に長期保存したときにも
不快臭が起こります。
酸臭
日本酒の製造過程と
販売後の保存状態の両方で
発生する可能性のある香り。
製造工程での場合
醪(もろみ)が不調で
酢酸菌が発生すると出てくる香りです。
醪(もろみ)に
乳酸菌や酢酸菌が侵入して繁殖すると
乳酸や酢酸が多量に生産される反面
酵母の活動が抑えられて
アルコール発酵が停滞してしまい
更に菌が繁殖すると言う悪循環になります。
つわり香
日本酒の製造過程で
乳酸菌の一種の「火落ち菌」に
汚染された場合に発生します。
「ダイアセチル」という物質が原因で発生し
発酵バターやヨーグルト様な
やや甘いにおいが特徴です。
老香
日光臭
酸臭を発生させないためのポイント
・日光臭を防ぐ:紫外線をカット
酒瓶に新聞紙を巻く、箱に入れるなどして
紫外線をカットします。
室内では蛍光灯などから紫外線が発生します。
日本酒を保存するなら
できれば冷暗所にします。
・温度の低い場所で保存
日本酒は温度変化に弱いもの。
温度の低い温度の安定した場所で保存します。
火入れを行っていない生酒などは
冷蔵庫に保存するようにします。
・酸素に触れさせないよう保存
日本酒は酸素に触れてしまうと
急速に酸化が進み
品質が劣化します。
開封後はなるべく早く飲みきるようにして
保管時では
お酒が酸素に触れる面積が少なくなるように
瓶を横にはせずに
瓶を立てて保存するようにします。