日本酒を
グラスやお猪口などの
酒器に注ぐと
日本酒そのものから
香りがたちのぼります。
この
飲む前から立ち上がる香を
「上立ち香(うわだちか)」
と言います。
日本酒の
造りの違いからなる特徴が
良く現れる香りです。
日本酒をすすり
口に含み
口中にまわし
鼻から息を出す時に
呼気と共に感じられる
香り、匂いを
「含み香(ふくみか)」
または
「口中香(こうちゅうか)」
と呼びます。
日本酒を味わうと同時に
感じる香です。
上立ち香と
含み香の違いが少ないほど
日本酒の香りの
バランスが取れている
ということになるのです。
日本酒の香りは
お酒の温度が高いほど
立つようになり
お酒の温度が低いと
香りが
閉じていってしまいます。
ですから
香りのチェックには
お酒の温度が
高いほうが良いのですが
温度が高すぎると
香りの主張が
強すぎてしまい
逆に
特徴が捉えにくく
なってしまいます。
香りを確認するのみの
場合であれば
常温に近い状態が
ベストの温度帯と
言えると思います。
含み香には
口に入れてから飲み込み
後味が引いていくまで
色々な表現があります。
・含み香(ふくみか)
お酒を口に含んで
最初に感じられる香り。
・吟香(ぎんか)
含み香から変化し
飲み込む瞬間に感じる香り。
・返り香(かえりか)
飲み込んだ後
鼻に抜ける香り。
香りの後味。
また日本酒には
味の濃淡と香りの濃淡で
大きく4つに分類した
呼び方があります。
・熟酒(じゅくしゅ)
香りも味も濃厚なお酒。
熟成酒など。
・醇酒(じゅんしゅ)
香りは淡く味が濃厚なお酒。
純米酒や山廃など。
・薫酒(くんしゅ)
香りが濃く味が淡いお酒。
主に吟醸系。
・爽酒(そうしゅ)
香りも味も淡いお酒。
生酒など。
そして、香りと関係の深い
味わいを表す言葉では
・端麗/濃醇
お酒を口に含んだときに
スッキリしている味わいのものを
端麗
濃厚であるものを
濃醇 といいます。
・キレ/コク/押し味
「後味」の余韻が
いつまでも残らず
すっと抜けるようなお酒を
「キレがある」。
コクは
味の変化や種類が豊かで
バランスが良いこと。
キレは
その後の「後味」についての
評価ですから
コクもキレもある
という言い方もできます。
キレと対になる言い方では
「後味」の余韻が
長く続くお酒は
「押し味がある」
と表現します。