昔、宮中では
お酒は「お錫(すず)」と
呼ばれていたそうです。
この名前は
宮中で、お酒の器に
錫(すず)が使われていたことに由来します。
錫(すず)が重用された理由として
錫(すず)の持つ
非常に化学物質と反応しやすい特性にあります。
お酒に毒物などを入れたとしたら
その毒物(物質)に反応して
錫(すず)の表面が 艶がなくなるのです。
こうした、いわゆる「お毒見」役として
錫(すず)が重宝されていたと言われます。
現代では
この錫(すず)の性質で
お酒の味が柔らかく丸くなると言われます。
日本酒などに含まれている
雑味の成分などが
錫(すず)と反応することで
取り除かれていきます。
角が取れた優しい味になるといいます。
でも、雑味が
錫(すず)と反応する量はほんのわずかなので
お酒を飲み終わった後で
器を洗えば流されますので安心です。
錫(すず)の器は
熱燗でお酒をいただく場合
熱伝導率が高いために
持ち手まで熱くなってしまいます。
ですから
熱すぎるお酒はおすすめできません。
ぬる燗でいただく場合は
事前に
アルミ製の酒タンポなどで
お酒を温めておいてから
器に移すようにしてください。