日本酒の雑学 ・おちょこ

2019.12.13

漢字では「お猪口」。
名前の由来は諸説があり
まだ定かになっていません。
元々は
日本料理の原型と言われる
「本膳料理」で
(※正式な日本料理の膳立てで
 室町時代に武家の礼法をもとに
 確立して江戸時代に発展した。
 現在では冠婚葬祭などの儀式料理に
 残る程度。)
和え物や酢の物を盛り付けるのに使われた
小さな器のことを
「猪口(ちょこ)」と呼んでいました。
それが江戸時代中頃から
蕎麦をつゆにつけるための器としてや
酒器としても用いられるようになった
と言われています。
名前の由来は
「ちょっとしたもの」とか
「飾り気のない」という意味の
「猪口(ちょく)」という言葉が
転じたものとされています。
また、「飾り気のない様子」をあらわした
「安直(あんちょく)」の
「直(ちょく)」と関連があるとも言われます。
今では「おちょこ」とは
1口で飲み干せる量が入る小型の盃のこと。 
おちょこ1杯の容量は
一般的に45mlくらいと言われ
アルコール度数の高い日本酒を
ゆっくりたしなむには
丁度良い量となっています。
 
では、「ぐい呑み」とは?
「ぐい呑み」は
おちょこより一回り以上大きいもので
ご飯茶碗よりは小さいと言った感じです。
「ぐいっと飲む」とか
「ぐいっとつかんで飲む、ぐいぐい飲む」から
「ぐい呑み」だとも言われていますが
これにも諸説があり
はっきりとは語源はわかっていません。
一般的には60mlを超えるものが
ぐい呑みと呼ばれます。
 
「おちょこ」は
一口で飲みきれる量の小さな器なので
飲み干すまでの
お酒の香りや温度が変わりにくい
という特徴があります。
冷酒などがぬるくならずに
冷えたまま飲み干すことができます。

大きな器を使用してしまうと
飲み干すまでに時間がかかり
お酒そのものの本来の風味などが
失われてしまいます。
また 1杯が少量なので
少しずつ飲むことになり
「悪酔い」の防止にもなります。

硝子製のおちょこなら
吟醸や大吟醸酒などの
フルーティーな香りの高い
繊細な味のお酒に向いています。
陶器のおちょこなら
純米酒や山廃仕込みなどの
コクや深みが味わえる
「濃い口のお酒」に向いていると思います。
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