日本酒が開封後に
劣化(酸化)した場合には
味や見た目はどうなるのでしょうか。
開封後の日本酒の劣化というのは
「酸化」のことです。
日本酒が酸化しても
見た目の変化はほぼありません。
味は少し変わってきて
日本酒独特の
ピリピリした触感が無くなってきたり
酸味が無くなってきたりします。
開封後が多少の日数経過であれば
この味の変化も楽しめると思いますが
1週間以上経ってしまうと
雑味が増えてきたりしますので
それまでには飲みきるようにします。
日本酒を開封後 長く保存しておくと
たまに中身が
茶色っぽくなっていることがあります。
日本酒が茶色くなってしまう原因は
日本酒に含まれるアミノ酸などの成分が
紫外線や温度の影響で
変化してしまうことにあります。
腐っているわけではないので
この場合は飲んでも
健康上は問題ありません。
ですが、やはりいい形で飲みたいもの。
日光が当たるところや
高温の場所には保管しないように注意します。
ただし 日本酒が
白くモヤモヤ~と
煙のような広がり方で
濁っているときは要注意です。
この場合は「火落ち菌(ひおちきん)」が
繁殖している可能性が高い状態です。
「火落ち菌(ひおちきん)」は乳酸菌の一種で
アルコールに対抗できる菌なので
日本酒の中でも生きることができ
ツンとした匂いと白い濁りを引き起こします。
この菌が繁殖しますと
日本酒が臭く酸っぱくなってしまいます。
火落ち菌の繁殖は
28°~ 30°で最も起こりやすくなります。
ただし
白い濁りは 「タンパク混濁(こんだく)」
という現象の可能性もあります。
これは
日本酒の中のタンパク質が
固まりになってできるもので
味や健康上の問題はありません。
見た目は火落ち菌による
混濁(こんだく)と似ていますが
白濁の程度は低く
そのお酒を加温すれば消失します。
冷ませば再び固まるという点が
火落ち菌によるものと違います。
混濁物質の成分としては
糖類(ガラクトース、マンノース)約30%
粗蛋白質60%
他に 金属塩
フェノール性物質が少量検出されています。
この日本酒中に存在する「酵素蛋白」が
固まって出てきたものですので
欠片や粒状のものが
浮いているのでしたら
「タンパク混濁(こんだく)」と
考えてください。
お酒の質に影響はないのですが
商品価値はなくなってしまいます。