日本酒の雑学 ・御神酒(おみき)と御屠蘇(おとそ)の違いとは?

2019.11.19

お正月には欠かせない
御神酒 と 御屠蘇。
違いを簡単に言えば
・「御神酒(おみき)」
神道で、神様にお供えする日本酒。
・「御屠蘇(おとそ)」
長寿を願ってお正月に呑む薬草酒。
 
御神酒は
祭礼において神社や神棚にお供えする供物の
神饌(しんせん)には欠かせないもので
通常は日本酒が用いられます。
神饌(しんせん)とは
御饌(みけ)とも言い
神様に献上するお食事のこと。
神様にお食事を差し上げて
おもてなしをして
そのお下がりを参列した人たちでいただく
「神人共食(しんじんきょうしょく)」が
日本のお祭りの特徴でもあるとも言われます。
神様に供えられ
その霊力が宿った御神酒を頂くことで
「神様と同じものを飲食する」という意味を持ちます。
 
お正月になると
新しく汲んだ水で
神様へお供えする神饌(しんせん)を
こしらえていました。
その「神様」とは
「歳神様(としがみさま)」。
一言でいえばご先祖様のことです。
ご先祖様は亡くなられた後
生まれ住んだ土地の山に上って
「山の神」として山頂から子孫の暮らしを見守り
春になると山から里に降りて
子孫たちの米作りを見守る「田の神」に。
新年になると歳神様として
子孫の家庭を訪問し
家族を見守り、繁栄をもたらしてくれます。
 
歳神様は地方によっては
「お歳徳(とんど)さん」
「トシドン」とも呼ばれています。
 
「正月」とは
その歳神様をお迎えするための「行事名」として
用いられています。
1月の別称となったのは
新年の時期と重なっているから。
歳神様が1年の最初にやってきて
幸福や五穀豊穣などの
たくさんの恵みを与えてくれます。
 
お正月の「鏡餅」は
魂の形を模したといわれています。
これは
歳神様に宿っていただくための
「依り代(よりしろ)」です。
同じように
お供えした「御神酒」にも
歳神様が宿ります。
歳神様が宿ったお餅を
鏡開きの日に皆で食べることで
家族が1年間無病息災で過ごせると
考えられていました。
「お年玉」の語源についても
供えたお餅をお下がりとして
子供たちに食べさせる。
歳神様の魂をいただく⇒「お歳魂」
と呼んだことから
「お年玉」と変化したと言われています。
江戸時代後半ごろから
お餅が金銭に代わったとされています。
 
おせち料理を作る理由は
一年に一度、お正月最初の数日くらいは
「かまどの神様」にお休み頂くため
日持ちのするおせち料理を
作るようになったと言われています。
ページトップへ