トレーニング後の一杯は最高
と言う方も多いのではないでしょうか。
筋力トレーニングで
筋肉(筋線維)が太くなることを
「超回復」といいます。
この「超回復」が繰り返されて
ビルドアップされていきます。
その仕組みは
トレーニングで刺激された筋肉は
筋肉組織の一部が「破壊」されます。
これがいわゆる「効いている」ということです。
そして、その「破壊」された場所の筋肉を
「修復」するために
テストステロンなどをはじめとした
成長ホルモンが分泌され
また、タンパク質
ビタミンB群、ビタミンC
マグネシウムや亜鉛などの栄養が使われて
さらに「休息」することで
筋肉が「修復」されていき
元の筋肉組織より少し大きく成長します。
実は、トレーニング後に
グイッとたくさんお酒を飲むと
この「超回復」の筋肉の成長が妨げられてしまいます。
●筋肉の「分解」が促進されてしまう。
筋力トレーニングの後でお酒を飲むと
コルチゾールという
筋肉を分解して
脂肪の蓄積を促すという働きを持つ
ホルモンが分泌されてしまいます。
トレーニング後の回復のための
(筋肉の)成長ホルモンが分泌されていても
その成長ホルモンの働きが
コルチゾールで相殺されてしまい
筋肉の成長は阻害されてしまうことになります。
●筋肉の成長が「抑制」されてしまう
テストステロンと言う成長ホルモンは
筋肉を増やして
脂肪を燃焼させるという働きを持ちます。
筋力トレーニングの後で
お酒を飲まなければ
他の成長ホルモンとともに分泌されて
筋肉増強を促します。
しかしお酒を飲んでしまいますと
このテストステロンの分泌が
妨げられてしまうのです。
お酒を飲んだら出てくる
コルチゾールにより
筋肉の「分解」が促されてしまううえに
テストステロンが減ってしまいますので
筋肉の「超回復」が出来なくなってしまいます。
●タンパク質の合成スピードが遅れてしまう
お酒を飲んだときには
身体の反応として
体内に入ったアルコールの
「分解・解毒」が最優先になります。
アルコールは肝臓で分解されます。
その分解にかかる時間は
ビール500mlでは約3〜4時間もかかります。
トレーニングの後で
仲間でお酒を飲んだりしていますと
アルコールの摂取が続いてしまい
肝臓は働き続けなくてはいけなくなります。
アルコールの「分解・解毒」優先のため
肝臓がアルコールを分解し続けている状態となり
当然ながら
筋肉を作るためのタンパク質の代謝・合成は
遅れることとなってしまいます。
●筋肉の脱水症状のリスクがアップする
お酒には利尿作用があります。
体内の水分を排出することで
ミネラルバランスも乱れやすくなります。
トレーニングのすぐ後で
水の代わりにと
お酒ばかりをたくさん飲んでしまいますと
トレーニングで発汗して
水分不足のところに
さらに体内の水分が出てしまいますので
筋肉までもが脱水状態なってしまう
可能性が大きくなり
筋肉が「攣る(つる)」様な現象も引き起こします。
これでは筋肉の回復はもちろんのこと
運動機能も低下しますので
パフォーマンスもダウンしてしまいます。
スポーツの大会やレース前であれば
最低でも48時間は
アルコールを控えるのが良いと考えます。
でも、どうしても
トレーニング後にグイッと
お酒を飲みたいのであれば
グラス1杯程度でとどめておいて
その分
しっかりと水分を取り
タンパク質やミネラルなどの栄養素も
たっぷり補給することをお勧めします。